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創業89年を誇る仲野整體。治療の価値を高め、患者様をさらに上の健康へと導く。

仲野整體東京青山

仲野 孝明 院長

江崎器械:本日はお忙しい中、取材を受けていただきありがとうございます。


仲野孝明先生(※以降、敬称略):こちらこそ、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。


江崎:先生のところは、お爺様の代からでしょうか?以前四日市の本院を訪ねた時に、

仲野整體の歴史のようなものを拝見させていただき驚いたのを覚えています。


仲野:はい、曽祖父の代からだと89年目になります。整體の分野では、当院よりも古いところは耳に

したことがないですね。歴史の古い鍼灸治療院については聞いたことがありますが・・・。


江崎:89年も続く、というのはすごいことだと思います。よく経営のイロハにもありますが、経営は継続

とも言われます。ドラッカーにしても企業の目的は顧客創造といっていますし、89年間も患者様が

絶えないというのは興味深いですね。今回お話をお伺いするに当たり、そのあたりのことを

お話しいただければと考えております。


仲野:そうですね。何かの形でお伝えできればとは常々考えてきました。



江崎:私たち、業者の立場として申し上げにくいのですが業界の質といいますか、技術のレベルは年々落ちていると感じます。

フランチャイズするところも増えていますし3か月の養成校を卒業してそのまま体を触る・・・。というケースもあるようです。 


仲野:たった3か月の訓練を終えただけで、臨床現場で患者さんの身体を触っている。この現実はちょっと

考え物ですね。自分に置き換えてみても、診てもらいたいとはなかなか思えないでしょう。

情報社会の今、そういったことはすぐわかってしまいますし・・・。


江崎:確かにそうですね。たとえば時間2980円のマッサージもそうですが、1人当たりの単価は下がる一方です。

現実的に売り上げは単価×人数ですから時間ばかりが長くなる。9時から10時まで勤務されて休みもないという方も多いようです。


仲野:その状況だと、技術のレベルを上げるというのは難しいように感じます。当院はお1人様当たりの

単価が市場よりも高めであることから、診療時間を絞ることができ、スタッフ同士で午後3時から8時

くらいまで毎週勉強会を行っていますよ。


江崎:毎週それだけの時間を勉強に費やせるというのは素晴らしいですね。


仲野:やはり、技術職として体を触る仕事です。施術する時間だけではなく、勉強する時間を持たなければ、

より良いものを提供できない仕事です。


江崎:確かに、朝9時から10時まで働いていては目の前のことに追われるだけです。中期的、長期的な視野に

立ってみることなど難しいでしょうね。実はここにうかがう前に先生のHPを営業スタッフと拝見していたんです。

治療費をみて「え・・・・これで患者さん来るんですか?」と(笑)。そのあたり詳しく聞いてほしいなんて

言うくらいですから、彼らが日常見る治療費と比べて高いと感じるわけです。

確か先生のところは初診料2万円、2回目以降が12,000円くらいだったでしょうか?


仲野:はい、そうです。実はもう少し料金を上げようと考えています。私が本院に入った頃は、日々、

先輩や師匠の手技を“見て盗む”時代でしたね。だからこそ、「この世界で一人前になって開業するまでには10年かかる」

と言われていたのでしょう。幸い私は8年で開業することができたのですが……

正直、“見て盗む”修行は今の若い方には難しい時代だと感じています。

何のためにこれをやるのか?という目的を明確に伝えて、手法を包み隠さず教える。そして何度も何度も繰り返す。

このことが指導育成には重要なのではないでしょうか。実は今、まさに実験している最中なんですよ。

まじめに続けることができれば、みな3年くらいでちゃんと技術を身につけられるはずです。


江崎:若い人は続かない、と言われますが実際には別のところに理由があるように感じます。

教え方であったり、給与面であったり。先生は色々と工夫をされていらっしゃいますね。




仲野:私のころは徒弟制度のようなものだとあらかじめ了解してから、教えを乞うていました。

ただ、いまどきは“見て盗み、タダ働き”のような職人的スタイルに耐えられる若者がいないことを十分に理解しているんです。

違う業界であれば、IT企業に3年勤めて、20代で年収800万円だなんて世界が普通にあるのですから! 

若い方の仕事に対する考え方や意識、喜びは、年々変わってきていると感じます。仕事、健康、時間、

人間関係、知性、勉強、体験、もの、お金、自己実現、愛などをバランスよく満足させながら、

幸せに仕事をする先生が増えていってほしいと思っています。


江崎:いろいろな先生方とお話しする機会がありますが、「こんな大変な仕事、人にすすめられないよ!」

という先生方が沢山いらっしゃいます。いや、でも待ってください。人に勧められないような仕事、

ご自身は続けられるんですか?と聞き返すのですが皆さん苦笑いされます。


仲野:愉しくないなら転職したほうがいいですね。やっぱりやるのが愉しくないと思っている先生が患者さんに触ると、

なんというかその負のエネルギーが患者さんに伝わると思いますね。基本、人と人の仕事ですから。

愉しく仕事をしている先生のところにしか人は来ないのではないかなぁ。


江崎:これは難しい質問ですが、治療家の中には治療、施術、手当ては「善」や「禅」の行為であると

考える先生も少なくありません。儲けてはダメだと考える先生もたくさんいらっしゃいます。

先ほどの治療費のお話と関係しますが、そのあたり先生はどのようにお考えですか?


仲野:厳しい言い方ですが、資本主義において、それは間違った経済感覚だといわざるを得ないのでは

ないでしょうか。やはりお金は大事ですから。自分がどれくらいの価値を提供できているのか?

その物差しを自分の中で磨かないと。治療家である以上、治療技術の向上には日々勉強をするしかない

わけですし、世界中の優れた技術を学ぶには、お金も時間もかかります。




江崎:3,000円でも高い!と考える先生もいますから。


仲野:今、20,000円の初診料を30,000円に、6回で20万円のコースを作ろうと考えています。

これだけの価格を提示できるのだからちゃんと治してくれるはずだ、そういう想いの方が

来てくださると考えています。自分の体にかけるメンテナンス料、つまり健康になるための

投資価値がいかほどか、という部分なんですね。患者さんの中には経営者の方も

多いのですが、普段運転させているのがベンツであれば、その修理代と比較してどうでしょうか。

車は買い直しができますが、社長の価値は買いなおすことができません。


江崎:自信の無さ・・・が値段にも表れるかもしれませんね。


仲野:それはあると思いますね。自分が納得して提供した価値を理解してくれる方に、最高の治療をする。

1億2000万人の方を自分一人でみるのは不可能ですから。その価値を理解してくれる人がいれば価格はいくらでも

いいのが資本主義の考え方ですよね。私はそのバランスを取ってくれるのがお金だと考えています。

新幹線だって大阪まで1万円くらい。往復で2万円強です。自分の体が治る、悪いことに気付く。

その価値が大阪まで行くことより低いか?と考えると決して低くないですよね。


江崎:こんな相談を受けたことがあります。駅前に2,980円のもみほぐしが出来た。

自分の治療院は5,000円。値段を合わせたほうがよいか?とのこと。その方に

「同じことをしていないのであれば、合わせる必要はないですよ。」とアドバイスをしてもピンとこない。


仲野:ご自身が「同じ」とみているからですよ。自分はまったく別のもの、

異なった価値を提供しているんだというイメージがないと難しいと思いますね。


江崎:高いという患者さんは500円でも高いと言います。


仲野:その人にとって価値のないものには、500円でも高いですから。これからの治療家を

目指す先生方は勉強することはもちろん、自分のやっていることに意味性を付けていかないといけません。

カリスマと呼ばれるすごい先生は世に出ていないですよね。ひっそりと治療されています(笑) 

すばらしい先生があまり師弟をとらなかったために、若い先生がお給料のいい流れ作業的治療室で働いている。

その結果、「治らない」「こんな仕事は苦しい」と悩みに悩んでしまっている。これが現状です。

リラクゼーション業界と呼ばれるものもできていて、混沌とした感がありますよね。

しかし考えようによっては、ある意味、ゼロベースになったのかも。リラクゼーション業界と、

医療として国家資格を持っている方、手術をするお医者さん……これらがゼロになった時、

自分は患者さんに何が提供できてどんな強みがあるのか? 

その強みをしっかり患者さんに伝えて提供できれば、価格は後からいくらでもついてくると考えています。


江崎:本当にそう思いますね。


仲野:その価値を作りながらじゃないと、患者さんは増えないですからね。今、患者さんと言いましたが、

その方が患わなくなったらどうするのか? 次のステップとして、ビジネスパートナーならぬ

“ヘルスパートナー”として、微力ながら、その方の今後の人生を健康面から牽引してゆく。

そんな形が取れれば喜ばれるのかなと考えています。基本は、相手の求めているものを探すことですね。


江崎:例えば同じ患者さんに月1回来ていただく事が経営的に重要だ!と声高におっしゃる方もいます。

私は本来あるべき姿を考えると患者さんが患わなくなってくる必要がなくなることですよね、と。

だったらその次のステージを一緒に目指しましょう。一緒に歩んでいきましょうというのは非常に大事だと感じました。


仲野:患者さん自身が自らの状態を管理することは、実際そう簡単ではないと感じています。

ですので私は患者さんと健康の話をするとき、「健康に“関心と意識”を持てたのは素晴らしいことですね」

とお伝えします。なぜかというと、誰しも、普段健康な時にその大切さはわからないからです。

何かあって初めて健康が気になるのは、しごく当たり前。まず、健康に目を向けたということが大事ですし、

そのチャンスをどうやって生かしていくのか?がポイントなのですね。

不健康な状態で長生きするのと、健康な状態で長生きするのは大きな差があります。

仕事が愉しい、人生が愉しい、のベースは、健康であってこそ。健康の価値は、その大切さへの

気づきから始まります。とにかく今痛いのを何とかしてほしいというだけの方には、

まずはその時に痛みがあることの“意味”を伝えてあげないと。



江崎:先生は最近アイアンマンレースに参加されて見事完走されたそうですね。 


仲野:はい、1年間ほどトレーニングをしてアイアンマンになることが出来ました。


江崎:先生ご自身が、自らの健康や体調に厳しい。自らを律するということは本当に大切なことですね。


仲野:自らが清い視点を持つということも大事です。タバコを吸って治療する先生は健康を指導するという

部分ではうまくいきません。タバコ臭い先生から、健康の話を誰も聞きたくありませんから。


江崎:今は少なくなりましたが、院内がタバコ臭いというオフィスもたまにありました。

治療を提供すると考えると問題ないのかもしれませんが、健康を提供すると考えると問題がありそうですね。


仲野:そのとおり、痛みを取る先生と、健康の先生はまったく別なのですよ。仲野整體で研修を始めた際、

3代目である父はよく“健康曲線”というものを用いて、痛みに悩む患者さんに説明をしていました。

「今の悪い状態をカイロプラクティックで早く元のよい状態にもどしましょう」と。

最初は私も父に準じていたのですが、あるときから、違う視点からの説明に変えたのです。

人生を1つの曲線で表したとき、人は20歳をピークに、体力が落ち始め、

健康レベルも下がってゆきます。それをそのまま放置していると、介護が必要なゾーンまで

健康レベルは落ちてゆく。しかし、あるところで“健康の大切さ”“このままではいけない”と

自覚することができたら……姿勢や睡眠、運動、食事などの意識を変えることで、最後にはコロッと

寿命を全うできる。私の仕事は痛みを取るにとどまらず、健康に気づけていない人に気づいてもらい、

そのゾーンを押し上げる仕事なのだと理解しています。悪い状態を元に戻す、

ということではなく、さらに上の健康ゾーンまで押し上げるという価値を提供していると考えています。


江崎:今、痛い、悪いという人はそれが、よくなってそれ以上になるなんて想像もできないですよね。

ほとんどの方がそういう意識ではないですか?


仲野:その通りです。初めは、自分自身の人生と向き合っている方にしか理解してもらえないかもしれません。

しかし明治維新と一緒で、スタートの切り替えはほんの一握りの人から始まるのだと思っています。

どんどんと新しい、志を持った素晴らしい先生方が生まれてくると確信しています。




江崎:孝明先生には3人のご兄弟がいらっしゃいます。ニューヨークで開業されている広倫先生、

四日市本院で治療をされ今年から米国で勉強を始められた有草先生、今も本院に勤務されている

仁裕(きみひろ)先生。ご兄弟とは頻繁に連絡をされているのですか?


仲野:そうですね、兄弟とはLINEのグループで頻繁にやり取りをしています。その日に困った患者さんの

症例などを細かく話をして議論していますよ。 


江崎:悩みを家族で共有できるというのは本当に心強いですね!孤立しがちな先生方にはうらやましい

環境です。一度どんなお話をされているのか拝聴したいものです。


江崎:有草先生と広倫先生のアドバイスをもとに弊社製品を改良し、本院と東京分院でも弊社の

姿勢に関連する製品をよく販売していただいております。雑誌でもご紹介いただいています。

素朴な疑問ですが出版社の方とはどのようにお知り合いになられたのですが?


仲野:初めは、ブログを読んでいただき、雑誌掲載企画のオファーをいただきました。その後、

出版社からお声がけいただき、本を3冊出版させていただきました。いずれも“姿勢”に関する

書籍ですが、この書籍を書いたことが大きいと思います。出版後、企業向けの姿勢改善セミナー

を頼まれることが増えました。セミナーをきっかけに来院され、患者さんになってくれた方もいらっしゃいます。


江崎:IT企業や座ることが多い仕事をする方は、肩こりや腰痛に悩まされていることが多いようです。

そういったところに、相手から呼んでいただけるのは素晴らしいマーケティングですね。


仲野:実は4冊目も出来上がったんですよ。姿勢という切り口で、私が先ほどお話した、

早く姿勢が悪いことに気づくことでその後の人生に大きく影響を与えるという内容です。

一般の方だけでなくぜひ治療家の先生方にも読んでいただきたいですね。


江崎:それは楽しみな内容ですね。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


仲野:こちらこそありがとうございました。


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